2007-01-01から1年間の記事一覧

年末で区切ってみる

どうにもできないものは、どうにもならないままに。 どうにかできることなど、実は、砂粒ほどしかなく。 実は、わたしの内側に限られ。 けっこうしあわせだ。 ありがたや。ありがたや。

行く人来る人

年末年始の休暇を前に伊在の邦友人たちはニポンへと発ち、いいなぁわたしも帰りたいなぁなどと少しさみしくなっていたら日在の伊友人たちがドサリと帰ってきた。ニポンで自国語に飢えた生活を送ってきた彼らは元気である。ただでもおしゃべりなところに、飢…

パイレーツ・オブ・カリビアン-ワールドエンド

何も考えたくなくなって何も考えなくてよい映画を借りたのだが「scrigno」という単語がわからず、そのまま止めずに見続けたら大事な筋を見失った。言い訳だけれども、この映画の伊単語はむつかしいですよ。「babordo」とか日常じゃ使わない。そんなわけで辞…

デヴィット・リンチの展覧会

師走の波に完全に飲み込まれ、ここに何かを書く気力がおきず。読まなければいけない資料が山ほどあり、会わなければいけない人がたくさんいて、飲まなければいけない酒をせっせと消費しつつ、しかも滞在許可証関連の戦いがあり、もうどうでもいいから早く年…

ユメかウツツか

夕方4時から午前0時までカクテルを消費しつづけた。気がする。その間、おそらく1度は連れが替わり、何度か河岸を替え、何本かの電話をし、どっかのホールでリストとベトベンとシューマンとラベルとラフマニノフを聴き、どっかで1年以上会っていなかった…

自由業の忙中閑

自由業という言葉を聞くとき「いったい何が自由なものだらう」とおもう。たしかに働く時間は決まっていないが、逆を返せば忙しいときは働く時間以外の時間はない。どんな仕事を受けてどんな仕事を受けないか、揺らがぬ大御所で仕事あたりの単価が高ければ、…

キツネもタヌキも入り放題

片道5時間の旅をしてスイスのバーゼル近くのデルモンテという町に友人Aとライブを聴きに逝ったのだが、大雨のなかナビゲーション能力の欠如をいつものようになじられつつ暗黒の山道を抜けて辿り着いたライブハウスは、いまぢゃ高円寺にもないようなしょっぱ…

のドラッグ

このところ新聞に麻薬ネタが載らない日はない。各所の調査によれば消費者は急増、売買絡みの犯罪も増えていると聞くが、なにより取り締まる側の目が厳しくなったからだろう。今日4日のレプッブリカ紙は、ミラノの最近のトレンドである「ヘロイン市場」を取…

つよくやさしくおもしろく

年明けにすぐ誕生日を迎える私は、師走を迎えるといつも「ああこれでまたひとつ歳をとるのだな」とおもう。1ヶ月余りのフライングなのだが、師走は文字通り実際も走り去る。だからかもしれない。 不惑が近くなっても惑ってばかりだが、それでもある程度の歳…

12月だってよオイ

切ないことが続き何も書く気がおきない。 しばらく隠居。MONOのライブに逝つてくる。 Bye

ウィスキーの脅威

若かりし頃に新宿三丁目で浴びるほど飲んで生涯忘れられない失敗をしてから意識的に遠ざけていたのだが、久しぶりにストレートで飲んでみたらばこれが滅法うまく。まるで、さんざんモメて別れた元彼氏と何年も経た後に再会し、「あら意外といい男だつたぢゃ…

なぜここまでして伊国に

滞在しなければならないのか、滞在許可証の取得のために「中央警察-近所の分署-中央警察」という旅をしたわたしは、つまり4時間ほどかけてミラノ市を1周半したわたしは思うわけであるが。怒りを通りこして涙が出るわけですが、こうなったらもうひとりで頑…

河合真水氏の個展より戻り

気をとりなおして日帰りでローマへ逝ってきた。河合真水氏の個展「Promemoria Tessuto」を観るためだ。彼女が何をつくったのか最後までわからなかったし聞かなかったので、まっさらな状態で会場に赴いたわたしだが、それでもなお「うわ、こうくるとは思わな…

そして倭人は吠える-ミシュラン東京版

今日22日のレプッブリカ紙(伊国の二大日刊紙のひとつ)が、ミシュランの東京版の発売ネタに、なんとほぼ1面を割いている。タイヤより地図よりグルメガイドが有名になってしまった感がなくもないミシュランだが、ヨーロッパからアメリカへと市場を拡げた彼…

Ebolaさんは

いま、世界と仲良くするために檻の中でくらしています。 なぜ檻の中に閉じ込められているのか、彼はきっと納得がいかないことでしょう。 vive nella gabbia per amore solo per amore un giorno riuscirai ad uscire pero' se avrai percepito l'amore come …

走ることについて語るときに僕の語ること

見事になにもする気がおきないわけですが。そんなわけで友人Tが仕事先で入手してきたという村上春樹を読む。前にも書きましたが、私の読書リストの範疇外にある方なのですが、言葉の選びかたとか、やっぱりすごいですよね。さりげなく、くすりと嗤ってしまつ…

Giorni e Nuvole

久しぶりに映画館に行って観た救いのないお話。「ベニスで恋して」のシルヴィオ・ソルディーニ監督。何不自由なく暮らしていた夫婦+娘が、会社経営をしていた父親の失業でどこまでもおちていく。7.5ユーロ払う代物ぢゃない。が。 彼と共に会社を経営してい…

Dogs in Space

1986年製作のオーストラリア映画。当時の荒れ果てに果てた若者どもの日常をとにかく綴っただけのドラッグ映画で、ラストではひっくり返すチャブ台を探したが、翌日にはビデオを貸してくれた友人Aに「なんぢゃありゃ」と詰め寄ったが、しかもこれを伊語で観て…

またひとり死亡

シチリア島でティフォジが警官を殺害して国内外であれだけ問題になったのに、またサッカーのためにひとり亡くなってしまった。11月11日午前、トスカーナはアレッツォ近くのAutogrill(高速道路のサービスエリア)でラツィオとユベントスのティフォジ(サポー…

本日の嘆息

「大きな子供だ」と思おう。

死ぬまでにもう一度

ある一定の期間に渡って同じ空間に棲息し、「いつでもまた会える」などとすら思わずに同じ空気を吸っていた人の多くは、一度その空間を離れてしまえば実はもう二度と会えないことのほうが多い。学生時代の友達などその最たるものだが、仕事の同僚しかり、わ…

和食の繊細さ

伊人宅の食事に呼ばれ、その家人が料理する様を横で見ていていつも思うことがある。こちらでは「余った野菜をラップにくるんで冷蔵庫へ」というシーンを見ない。見たことがない。たとえばサラダひとつ作るにも、野菜たちの配分の素敵なバランスというのがあ…

ふんとにこのクニゃどなってんぢゃ

伊在の方々はもーこの話題は五感に入れたくないでしょうが、わたくしasparagoは今日もまた警察署から手ぶらで帰ってきました。5月に更新申請したわたしの滞在許可証は「いつになったらできるのか」。 いっちょまえに警察出頭日を指定してくるから、こちらは…

終わりで始まりの4日間

映画通-狂(まだ言葉が足りないが)の友人Tから薦められ、にも関わらず数ヶ月も放っておき、そんな自分の怠惰を大後悔した。ニポンではあまり受けなかったようだが(もしかして邦題が最悪なせい!?)これは観るべし。今日。今夜。友人Tに遅ればせながら深く謝…

フルコース完走

伊国北部で今日の夕焼けを見た人とは、互いに名前など知らなくてもお友達になれるかもしれない。とりわけ日が沈んでからの空の燃えっぷりは尋常ではなく、焼ける雲の連なりは3次元の広がりをみせ、炎の赤しか存在していない新たな世界が「そこ」に開けてい…

夜2時以降に飲めなくなり...の波紋

去る10月6日から、伊国では「深夜2時以降に飲み屋やディスコ(伊国ではクラブとはいわないのである)でお酒を出してはいけません」という法律が施行されている。その当夜、ミラノから30kmほど離れた郊外のディスコに1時48分ごろ到着したわたしと友人Aは、…

がまた嫌いになり。

友人Hがミラノを去ってから2年が過ぎようとしている。我が家のメンテナンスをすべて引き受けてくれていた偉-寛大な彼が去ってからはじめて天井の電気のたまが切れた。脚立によじのぼり、棒状のガラスの電球を差し込もうとがんばったら、ツルリと手が滑って…

河合真水氏の個展

ローマ在のテキスタイル・アーティスト河合真水氏の個展が11月15日よりスタートする。これまでに行ったミラノのGalleria SURIMONO や Libreria AZALAIでの展覧会では、和のテイストを前面に出した小物からジャンル分け不可能なタペストリーまで、展覧会ごと…

日蝕

これはあくまでも個人的な趣味だけれども、まず漢字表記の多用に無理を感じた。古色を出すためか雰囲気を出すためかよくわからないが、もちろんそのために漢字表記を意図的に多用するのも素敵だが(たとえば京極夏彦とか倉橋由美子とか)、なぜこの内容でこ…

川の深さは

「亡国のイージス」の福井晴敏氏の実質の処女作。クライマックスシーンがフィクションぽすぎて少し鼻白んだのは、これもまた平和ボケのせいなのか。タイトルになっている「川の深さは」が作品中でうまいフックになっております。 川の深さは 福井晴敏著/講…