死ぬまでにもう一度

ある一定の期間に渡って同じ空間に棲息し、「いつでもまた会える」などとすら思わずに同じ空気を吸っていた人の多くは、一度その空間を離れてしまえば実はもう二度と会えないことのほうが多い。学生時代の友達などその最たるものだが、仕事の同僚しかり、わたしのようにフリーで仕事をしていると仕事のお客様しかり、そう思えば、知り合った人のなかで「再会がある」人のほうが稀である。しかし。そんなことにいちいち感傷を覚えている間もなく日々はさらさらと流れ、望む望まぬに関わらずまた新しい出会いがあって、知り合ったはずの人の顔や名前はやがて忘れ去られ、その奥まった箱が再び開けられようとすることすら滅多にない。


再度しかし。そんな中にも「二度と会うことはないだろうが、も一度会ってみたいなぁ」と思う人というのが稀にいる。私の場合はたったひとり、小沢健二(さんと言えばいいのか君と言えばいいのかw)だ。前にも書いたが、彼は高校の同窓生で、親しくはなかったのだが言葉を交わしたことがなくもないw。けれども高校時代の私のアタマは極めて危険なことになっていたゆえ、そんな状態でしか彼と話ができなかったことが悔やまれてならない。せめてヒトらしき状態にあるいま「話し」をしてみたいなぁと思うのだが、時すでに遅し。


べつに彼が有名になったからというわけではない。私がこれまでに知りあったすべての人の中で、彼は5本の指に入る変わった人だったからだ。ちなみに残りの4本とは、今でもちゃんと、あるいは細々ながらおつきあいをさせていただいているw。