Moon Palace

Moon Palace
Paul Auster/1990/Penguin
(邦訳:ムーンパレス/柴田元幸訳/新潮文庫)


音楽もそうだけれども、本もまた読んだときの読者の心持ちで響き方が違う。この本を「いま」読んだのは、そういう意味でジャストなタイミングだったとおもう。内側へ内側へと向いている視線を外へ外へと拡げる。私にとってこの本は、その「てこ」になったものとして記憶されるだろう。