がまた嫌いになり。

友人Hがミラノを去ってから2年が過ぎようとしている。我が家のメンテナンスをすべて引き受けてくれていた偉-寛大な彼が去ってからはじめて天井の電気のたまが切れた。脚立によじのぼり、棒状のガラスの電球を差し込もうとがんばったら、ツルリと手が滑って落下。気を取り直してスーパーまで新たな電球を買いに行き、差し込もうと頑張ったらパキリと折れた。


パッケージにある「2年間ながもち」との言葉通り2年間保ったわけであるが、差し込むのに2本割ってたら...それはおとくなのか? ちなみに1本1000円である。ニポンでは大きな売りとなる商品の「使いやすさ」は、ここ伊国ではほとんど頓着されていない。競争が少ないせいか、商品は「あるものをあるがままに」と「美観」を優先してつくられている気がしてならない。そしてこの「あるものをあるがままに」は、ときに「歴史と伝統」といったウツクシクも勘違いな言葉に置き換えられる。


暗闇の中で伊国に悪態をつき続ける。友人Hよ、ミラノに戻ってきませんか。