行く人来る人

年末年始の休暇を前に伊在の邦友人たちはニポンへと発ち、いいなぁわたしも帰りたいなぁなどと少しさみしくなっていたら日在の伊友人たちがドサリと帰ってきた。ニポンで自国語に飢えた生活を送ってきた彼らは元気である。ただでもおしゃべりなところに、飢餓後の爆発あいまってまさに弾丸のごとし。せっかくひたっていた年末の感傷的な気分を粉砕した。


しかし。私がニポンに帰ったとき、彼らが伊国に戻ったとき、会うのは半年に1回ぐらいだが、久しぶりに会うたびに「あぁ、君たちはまた逞しくなったなぁ」などとエラそげながら思う。伊国では、全生活の場が小さなコミュニティのなかに収まりがちなので、意図的に意識を外に向けないと視野は狭く器も小さくなる。実際、そういう人がこの国にはたくさんいる。人のことを分析-批評できる私ぢゃないが、おそらく伊国という箱に安住しているから「ソコどまりなんだよ」という惜しい人がたくさんいる。そのぐらいこの箱は強固なのだ。そこから敢えて出て行った彼らが、少しでかくなって帰ってくると、私はいつもおかーさんのような感慨を覚える。「よしよし、がんばれがんばれ」と。


てなわけで、今日もまた騒音に耐えてくる。ばい。