読書

La regina dei castelli di carta

Stieg Larsson著/2008年/farfalle Marsilio版

La ragazza che giocava con il fuoco

読了。754ページを駆け抜ける。カラダにわるい。 La ragazza che giocava con il fuoco Stieg Larsson著/2008年/farfalle Marsilio版 そんなことをしている間に数日前、伊版の最終刊が出た。買ってしまつた。著者は死んでしまつたので「次」はもうない。読み…

Uomini che odiano le donne

今年はもっと本を読もうと思っている。飲む、聴く、弾く、寝る時間は削らずに働く時間を削ってw。手始めにコレ。やめられません。2004年に急死したスェーデンの作家、スティーグ・ラーソンのミステリー。しかしミステリーに留まらず。もうすぐシリーズ3冊目…

戦争の法(佐藤亜紀著)より

(前略)とは言え嘘にも三通りあるーー根も葉もない嘘、事実に即しながら凡そ真実からは遠い嘘、および必ずしも事実に即してはいないが鋭く真実の一面を突いた嘘だ。第一の嘘は私の最も愛するところだが、殆ど実行のチャンスがない。第二の嘘は犯罪的だとは既…

走ることについて語るときに僕の語ること

見事になにもする気がおきないわけですが。そんなわけで友人Tが仕事先で入手してきたという村上春樹を読む。前にも書きましたが、私の読書リストの範疇外にある方なのですが、言葉の選びかたとか、やっぱりすごいですよね。さりげなく、くすりと嗤ってしまつ…

日蝕

これはあくまでも個人的な趣味だけれども、まず漢字表記の多用に無理を感じた。古色を出すためか雰囲気を出すためかよくわからないが、もちろんそのために漢字表記を意図的に多用するのも素敵だが(たとえば京極夏彦とか倉橋由美子とか)、なぜこの内容でこ…

川の深さは

「亡国のイージス」の福井晴敏氏の実質の処女作。クライマックスシーンがフィクションぽすぎて少し鼻白んだのは、これもまた平和ボケのせいなのか。タイトルになっている「川の深さは」が作品中でうまいフックになっております。 川の深さは 福井晴敏著/講…

鏡の影

友人たちの顔が暗い。どうした。ミラノに冬が来たのだ。朝6時、「トトトトトト」という前ふりの音とともに全館暖房が入る。ふとんから出たくない。からして。 1993年に新潮社から出版されたが、後に出た平野啓一郎氏の「日蝕」がこの本の内容に酷似している…

エスノメソドロジー:そのさん

私は、ニポン人クルーの伊国での撮影時の「現場通訳-コーディネート-アテンド」という仕事をちょくちょくいただく。その現場にいる人の種類はたいてい次のようになる: ニポン人クルー(仕事を依頼して支払いをする方=お客さま)/伊人制作チーム(日本人ク…

エスノメソドロジー:そのに

明日だれかを何かに誘おうとするとき、 この本の中でも例として出されているように、ニポンでは多くの場合「明日ヒマ?」と聞く。「明日忙しい?」と聞くことはより少ない。答えは「ヒマ」か「忙しい」かの2択になる。 伊国では「明日なにしてる?」と聞く…

エスノメソドロジー:そのいち

エスノメソドロジー 人びとの実践から学ぶ id:asparago:20070828#p3 たとえば。日常会話でしばしば聞かれる「それは言葉の使い方の問題だよ」とか「それは言い方が悪いんだよ」。そういうセリフの裏には、また、上のようなセリフが出るような会話が意味のあ…

祝・ハリーポッター完走

働いたり飲んだり旅したりの合間をぬってハリーポッター最終巻を完走いたしました。英語だったせいもあり並ならぬ達成感と目の使い過ぎの頭痛を感じている今、この勢いを借りてネタバレ必至のあらすじなどここに書いてみようかと思ったのだけれど、それこそ…

La Banda Dei Brocchi

友人Aに薦められてこちらも買ってみたよ。Jonathan Coeを伊訳で読むのはとても不毛な気がするのだけれど、ざっとAmasonを見た限りではもしや邦訳は出ていないのかもしれぬ。なぜ。これだけ売れてる作家なのに。詳細は読後に。

HORRY POTTER and the Deathly Hallows

伊語版は来年1月5日まで待たねばならぬというので英語で買ってみたよ。今夜はきっと眠れないよ。

ご冥福をお祈りいたします

非常に遅ればせながら昨年亡くなられた翻訳家・浅羽莢子氏に。一体どんな引き出しを持っていればこんな訳ができるのでしょう。以下「ゴーメンガースト」より引用。 ー日々は月々を磨り減らし、月々は年々(としどし)を磨り減らし、幾多の瞬間の奔流が荒波さ…

亡国のイージス

ニポンから戻って休むことなく人に会ったりしていたのですが、昨日は家から一歩も出ず、ひとことも発せずw。夏の疲れがたまって力つきたというよりは、読み出したらとまらなくなったというのが正しい。 亡国のイージス 上/下 福井晴敏著/講談社文庫/2002…

エスノメソドロジー

祝出版。Contractio氏が(裏)プロデューサーを務めた1冊がようやく産み落とされました。黄色いオビは「あたりまえから学ぶ社会学」と謳う。わたくしはじめ門外漢には?な部分もありますが、頭をコネてやわらかくしたい人は買う。 エスノメソドロジー 人々…

ミノタウロス

「盗作された-されない騒動」で割を食い、「された」側なのに新○社から絶版をかけられたという不幸な過去をもつ佐藤亜紀氏。しかしこれだけの小説が書ける作家は現在のニポンにそうそういないはず。買って読む。買って読んで応援する、買って読んで出版社に…

翔ぶが如く

10の巻まで読了。木戸さんも西郷さんも大久保さんも逝ってしまつた。 明日から何を支えに生きればよいの。

翔ぶが如く

お仕事のためまた南下せねばならず、このたびは「決死の猛獣つかい」な気分なのだが、死んでしまう前に読むにこれほど相応しい本もあるまい(嗤。 Wikipediaでいちいち登場人物のツラを確認しながら読み読みする。こういう話はホラやっぱり顔が見えるとドン…

魔女の鉄鎚

ベタベタにニポン語な本を読んだ後の翻訳モノというのは、どうしてもニポン語的に今ひとつの気がしてしまう。これは翻訳者のせいばかりではなく、翻訳という行為自体につきまという「どうにもしようがないコト」なんだろっか。だろうね。ニポン語が練られて…

平賀源内捕物帳

本日会話したひと:ふたり 今日の歩数:たぶん200歩ぐらい 南での仕事から戻り、なんだかんだと人に会った数日を経て、ようやく家から1歩も出ないという幸運にたどり着いた。あまりの動かなさにさすがに少し不安になりストレッチなどえいこらえいこらとしつ…

行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙

マーヴィン・ピーク著/横山茂雄訳/国書刊行会/2000年/ISBN:4336042063 すてきな訳だなぁと思ったら、横山茂雄とは稲生平太郎またの名を法水金太郎の本名であるらしい。幻想文学とオカルティズムが専門の教授であり作家。この本は、内容もさることながら…

人は見た目が9割

土曜の伊国の地下鉄にipodなしで乗ってはいけない。繰り広げられている会話のあまりのくだらなさに生きてることがヤになるからね。 そんな土曜にお借りした1冊。タイトルと中身があっていないと思うのはわたしだけか。漫画家という職業の偉大さはわかったが…

四日間の奇蹟

本をいただいたのをいいことに引きこもり読みまくり。第一回「このミステリーがすごい」で大賞をとったこの作品。だけれども私的には40点。たしかに読ませるのだけど、扱っているテーマも、それを見せるための仕掛けも、手あかがついている感が否めない。「…

イタリア・都市の歩き方

いただきもので悪いが途中で投げ出す。1997年出版の本を今読むのがいけないのだろうが、こういう「全体的にばっくりと」伊国の表面をなぞったエッセイはもう腐るほど出ている。巻末の伊国映画リスト、伊国を舞台にした映画リストのみ使える。 イタリア・都市…

ヴェネツィア 私のシンデレラ物語

有名人が書いた自伝的エッセイには大概むかつく。「おおっぴらにではないけど結局は自慢話」というその謙虚さを装った見て見て根性、羽を半分閉じかけた孔雀のような雰囲気がハナにつくのである。だからこの本も、巨匠の薦めがなければ「絶対に」手に取らな…

眼を閉じて/Ad occhi chiusi

普段はメンソール系の煙草を愛飲するわたしだけれども、読後、いや読中につい、日本から土産用に持ってきたマイルドセブンの封を切ってしまった。「誰も煙草をやめられやしない」という一行目が暗示するように、小説中、煙草についてしばしば語られるのだが…

天使と雲雀

佐藤亜紀を勧めてくれた友人Tには本当に感謝している。「このひとの本を全部よんでみたいな」という気力をおこさせるぐらいの作家に出会うことは滅多になく、そしてひとたびそう思っても2作3作と読み進めるにつれて期待が外されてしまうことも多く、だから…

I RECINTI DI DON PIETRAVIVA

購入&読み始め。正月休みはこれでいこうとおもう。先日、パヴィアから朝帰りの際、濃霧のためにジェノバ方面すなわちミラノとは逆方向へ高速を50km以上も走ったのだが、おかげで友人Pの父が作家だと知った。で購入。個人的にはやや形容詞が多い気がするが、…