平賀源内捕物帳

本日会話したひと:ふたり
今日の歩数:たぶん200歩ぐらい
南での仕事から戻り、なんだかんだと人に会った数日を経て、ようやく家から1歩も出ないという幸運にたどり着いた。あまりの動かなさにさすがに少し不安になりストレッチなどえいこらえいこらとしつつ読んだ本3冊。


平賀源内といえば「土用の丑の日にうなぎを食べるとヨイ」という迷信を仕掛けたひと。という言い方が身もふたもなければ、1700年代に、蘭学者、医者、文筆家、画家、植物学者、発明家などなどという多くの肩書きのもとに江戸時代の天才と呼ばれたひと、まさにニポンのレオナルド・ダ・ヴィンチである。その源内さんが江戸を舞台に探偵のまねごとをする。なんせ1940年に初版が出た本ゆえ、筋立ては素朴そのものだけど、読んでるうちにまるで騒々しく慌ただしい江戸の街に身を置いているような気になり、自分の口をついて出てくる言葉もつい俄か江戸弁になったりする、という多大な影響力のある(わたしが単純なだけかもしらんが)久生十蘭の文章力はやっぱすごい。


平賀源内捕物帳/久生十蘭著/1996年版/朝日文系文庫/720円