そして倭人は吠える-ミシュラン東京版

今日22日のレプッブリカ紙(伊国の二大日刊紙のひとつ)が、ミシュランの東京版の発売ネタに、なんとほぼ1面を割いている。タイヤより地図よりグルメガイドが有名になってしまった感がなくもないミシュランだが、ヨーロッパからアメリカへと市場を拡げた彼らはアジアにも進出、その第一弾が東京版で今日発売になった(んだね)。


なぜそれが1面を割く記事になるかといえば、レプッブリカ曰く「東京版の星獲得数が、他の都市を大きくしのいでしまって物議をかもしているから」だ。たとえば、本家パリ版では、三ツ星レストラン10、二ツ星3、一ツ星42。ニューヨーク版では三ツ星3、二ツ星6、一ツ星33。それが。東京版で三ツ星がついたレストランは8、二ツ星が25、一ツ星はなんと117。総星数では東京191、パリ78、ニューヨーク54と、東京は本家をしのいでしまったばかりか、全世界の現ミシュランガイドのトップに躍り出てしまった。


こんな事態にフランスが、いやヨーロッパが黙っているはずがない。他人の評価によって世界の中心たる自負がカケラも揺らいだりはしない中国と違って、彼らは他人の評価によって世界の中心たる自負が容易に揺らぐ人たちである。「ファイナンシャル・タイムス」が昨日フランス人のグルメ専門家に行ったインタビューでは、彼らは「賞賛しつつ怒ってた」そーな。あはは。


しかし。編集総責任者のJean Luc Naret氏も、評価に一切の妥協はないと強調しつつゆっている。「東京の獲得星数に文句を言うひとは、そのレベルが非常に高いことを知らないのです...」。ここで倭人は吠える。まさにその通り。伊国でも仏国でもうまいものはあるが、その全体的な質の高さでも局所的な質の高さでもバリエーションでもコストパフォーマンスの良さでも東京の足下にも及ばない。わたしはここに6年ちょいしかいないが、毎日3回ものを食ろうている。だから豪語したい。食で争ったら、勝敗は1時間でつく。「所詮はキイロイサルの集まりよ」と思っている輩がまだまだ多いヨロッパへの報復ではないが、キイロイサルは井の中の蛙たちに声を大にして叫ぶ。「東京を食って死ね」と。


かくいうわたしも、実際にどんな店がとりあげられているのかはしらない(あまり興味もないw)。それよりなにより気になるのは、レプッブリカ紙の掲載写真で和服でわらっているこのご婦人は「いったいだれなんだ」。このネタに(おそらく)無名の和服女性の写真を使ってしまうあたり、レプッブリカもまだまだですな...(今回のわたしはイヤにいばってるがまぁw)。