マフィアのお仕事-厚紙でシェッド!?

18日付のレプッブリカ紙に、カラブリア州で建設中の国道106号線の工事が、杜撰を通りこして「むちゃくちゃ」であるとの記事が出ている。昨年12月、Palazzi Marina市で、当国道の上にかかっていたアーチ型のシェッドが崩れ落ちたことをきっかけに捜査が始まった。調べたらば、シェッドは「厚紙」でできていた。なんぢゃそりゃ。


捜査は続行中であるから、正確にはまだ「疑い」の段階で、詳しい数字も出ていないが、道路建設に使われているセメントには砂と水が大量に混ぜ込まれ、コンクリートの割合は「ほんのぽっちり」、これで道路1kmあたり数百万ユーロの儲けが生まれると記事にはある。また、資材の水増しだけではなく、カラブリアのマフィア「ンドランゲタ」の中核にある人々が、工事を仕切るポストに起用されているという。


工事は伊最大手の建設会社Condotte(ローマ本社)が落札。そこからImcとD'Aguiという地元カラブリアの企業に下請けに出された。ローマの検察は、この2社をンドランゲタの経営企業とみている。もちろん、下請けに出した側のCondotteも知らなかったはずがなく追求の対象だ。捜査は、パルマの刑務所内での盗聴から始められた。この刑務所には、元ンドランゲタのボス、ジュゼッペ・モラビトが拘留されている。彼は、シチリアのコザ・ノストラや、トト・リーナといったボスとも交流があったとみられている大物黒幕で、12年の潜伏生活の末に2004年2月18日に逮捕された。そして、彼と親戚の会話の盗聴が、この捜査の糸口となったそうだ。ちなみに、彼の息子ドメニコ、彼の甥ヴィンチェンツォ・カロッツァはこの国道建設の資材を扱う会社で働いている。


国道の上に厚紙製のシェッド。あまりのことに頭がくらくらする。伊国南部には地震だってある。大きな地震がきたら「水性道路」はどうなるのか。彼らのやることは、いちニポン人の理解を超えている。