己の利のため裁判法修正?

どこまで逝くんだおかしな伊国。首相ベルルスコーニが裁判法の修正を目論んでいる。なによりもまず当国の首相になったひとは、過去の裁判の際に証人を買収したとの容疑で、英国の弁護士Millsとともに現在も被告席に座り続けているひとだ。そんな彼が、世間曰く己の利のために現裁判法の修正を進めている。厚顔といわず何と言おう。

  • 2002年6月30日以前の犯罪の被疑者に対する裁判はすべて1年間の中断。ただし、マフィア、テロ、業務中の事故についての公判を除く。
  • 無期懲役と刑期10年以上の犯罪の裁判を優先的にさばく。また、刑務所内に拘留されている被告人の裁判も優先される。
  • 裁判中断となっても、被告本人が続行を望む場合は、通常通り裁判は続けられる。
  • この中断期間、時効のカウントもストップ。再開後にカウントを再スタートする。


法学者Niccolo Ghediniによる草案のアウトラインだけ聞くと、全国判事協会がコメントしているように「いったいどんな意図があるのか」まったくわからない。司法サイドは「狂気の沙汰」だと驚きを隠さず、野党は言葉を失い、与党内からも慎重論が出て来ている。しかし、我らが首相ベルちゃんは歩みを止める気はないらしい。この草案は、近々閣議にかけられる。


時間稼ぎをして裁判法が改正されるのを待つ。そうすればきっと自分は晴れて自由の身。それがベルちゃんのしたいことらしい。彼を首相にした伊国民は、後悔をしているのか否か。