軍が街のパトロールに

仕事があけて4日ぶりに現実に戻ってみたらば、この国はさらにおかしなことになっていた。今度は「主要都市のパトロールに軍を起用する」という話だ。国防省長官のLa Russaが音頭をとって提案し、与党第一党のForza Italia+ANがこれに賛同、第二党のLEGA NORDOは消極的な姿勢を示している。


「市民の安全を守るための措置で82%の市民が賛同している」というのがLa Russaの言い分で、2500人の兵士を主要都市に派遣、国家警察(国が管轄)と国防省警察官(軍が管轄)とともにパトロールにあたる。6ヶ月の期限つきだが、成り行き次第ではもう6ヶ月の延長があるという。ミラノ市はすでに300人の兵士を「発注した」とか。


一方、野党と司法からは「国家警察の権限侵害」「具体的な効果の見えない対症療法」「憲法に抵触する過剰措置」「プロパガンダ目的の愚行」などなど、さまざまな非難が噴出している。


素朴な疑問。まず、何を-誰を取り締まるのか。さらに、迷彩服の兵士に街をうろつかせることで、本当に伊国は国として得をするのか。野党の言うように、国民へのアピールが目的だとしても、またその目的が多少なりとも叶ったとしても、そんな伊国は、他国の目にはどう映るのか。「無能かつ危険」な印象をますます与えるだけぢゃあるまいか。