asparagoの野望-1

伊国に来てから、将来設計とか5カ年計画ということをほぼまったくしなくなり、同時にどうしてもしたいことというのが非常に少なくなったわたしだが(もとからそうだったという噂もあり、そうでなかったという噂もあり)、1年ほど前から抱えているひとつの大きな野望がある。友人Aに一度でいいからトキョを見せることだ。「いっしょに旅がしたいのん」とかいうロマンチックなお話ではない。そもそも友人Aは酔旅の友。ではなくて、言ってみるならば「井の中の蛙に大海を見せてやれ」という半ば啓蒙的な半ば有り難迷惑な半ばいぢわるな動機による。


伊国に来て初めてわかったのだが、わたしが15年かそこら住んでいたトキョという街は、でかい。進んでいる。わけのわからないエネルギーに包まれている。おそらく、トキョのような都市は、ここヨロッパには存在しない。だから、見せてやりたい。トキョ都庁の下で「ほええ」と言わせてやりたい。想像だがおそらく、伊国一の経済都市といわれるミラノに育った伊人にとっても、あのトキョの風景は、口を開けなければ眺められないに違いない。いくら彼らが映画観て本読んで想像したとしても、絶対に「想像しきれない」に違いない。トキョがいいと言っているわけではないけれども、そういう-世界が-あるという現実を、奴らにその目で見せてやりたいのだ。


なぜそんなことを思うようになったか...。それはこれから考える。おやすみなさい。