パッチもん

エルメスの『バーキン』の年間売り上げ額は、エルメスの『バーキン』のパッチもんの年間売り上げ額に遠く及ばないという。エルメスの『バーキン』のパッチもんは、皮を米国で仕入れ、伊国の工場でつくられるのだという。仕切るのは中国。


パッチもんの製作といえば必ず名前があがるのが中国だが、そういえば彼の国には「ハリーポッター第5巻の執筆終了前にハリーポッター第5巻が出版された」というワハハな逸話があったが、ここ伊国でもパッチもんは大量に生産され、輸入されているという。もはやパッチもんは不法ながらその地位を不動のものとし、OCSEの調べによれば全世界の年間総売上5億ユーロ、円ではなくてユーロすなわち150を掛ける、これはもぉ印度人もびっくり(古い)である。


さらに驚くのは網羅する商品の多さで、バックや靴や洋服に留まらず、CDやDVDはもちろん、化粧品や香水、タバコもいまさらだが、果ては避妊用ピルや飛行機の交換用部品にまでパッチもんが進出しているという。だって奥さん、あの米国大統領が乗るエア・フォース・ワンにもパッチ部品が使われていたといふんですよ!


こんなことはもはや世の常識なのだろうか。わたしは知らなかつた。しかしこの事態がこのまま進行すると、現行の著作権法とか特許法とか商標に関する法律などというものは遠くない将来には有名無実と化すのではあるまいか。法律は守ることを前提にしてはじめて効力を発するのだとしたら、それを破ることへの畏れがなくなったらもはや機能しないのではないんだろっか。話は飛ぶがミサイル問題にしてもまたしかり。


そう、ここのところ伊国の新聞を読んで時を過ごすわたしである。要はヒマなの。か。