i detective selvaggi

やっと読み終わりました。非常にイヤーな気分です。読み終わった昨日から貧乏ゆすり --普段はしません-- が止まらない。非常に落ち着かない、暴力的な気持ちにさせる本です。窓から見える景色とか、目の前で湯気をたてている食事とか、友達からの電話とか、こうしてパソコンに向かっていることとか、こうして伊国で寝たり起きたりしていることなどなどが、突然「すべて作りもののように」感じられ、また、自分がとてつもなく無知で盲目であるという気にさせられ、また、自分が無知で盲目であるのはなぜなら「他でもない私自身が 積極的に 頑張って そうあることを望んでいるからだ」という気にさせられる。抽象的ですが、読後の感想。


あまりイヤな気持ちだったので、この本を薦めた友人にメイルで八つ当たりをしたら、こともあろうに、同じ著者が書いた、これまたイヤな一遍の詩を送りつけてきた --彼は2週間ほどイヤーな気持ちが続いたそうだ読む前に言えよだったら貸すなよ--。世の中にはサディストというのがたくさんいるのだ。収まらないわたしは、また別の本読みな伊人に、おそらく私同様イヤーな気持ちになるだろうその友人に、なんでもない顔をしてこの本を貸すことにした。ふふふ、まるで不幸のチェーン・レター。世の中には迷惑な奴というのがたくさんいるのだ。


まま、みなさんもおひとつ。買わんでいい。喜んで貸します。
   「I detective selvaggi」Roverto Bolano著
Maria Nicola訳/Sellerio版(伊)/2003年/20ユーロ/ISBN:8838916675