第二の嘘つき曰く

14日の総選挙から昨日まで仕事をしていて溜まってしまった新聞を一気に読みつつ、吐き気と嫌悪感をため息で押し出している。今回の総選挙は上下院とも連立右派の圧勝、ベルルスコーニが首相に返り咲いてしまった。私の伊友人は「ひとり残らず-例外なく-アンチ-ベルルスコーニ」で、知人の範囲まで拡げても、今まで彼の支持者にはお目にかかったことがない。一体、誰が、彼に、票を、投じているのか。謎である。


とまれ決まっちまったものは仕方ない。我々外国人にとっては益々住み難くなるであろうこの国は今後どこへ行くのか。16日付けのレプッブリカ紙に新首相の勝利後の公式インタビューが載っている。このひとは一体これから何をしよーとしてるのか。ひたすら自分のための備忘録として以下に箇条書きを連ねる。このひとは常に二枚舌だから。


・ICI(地方固定資産税)の廃止〜1軒めの持ち家が対象
・二院合同委員会は不要
選挙制度の「部分的」な改正
・Bossi-fini法案の適用〜不法入国者の取り締まりと強制送還。国境を"閉める"方向へ。
行政改革〜野党とともに
・法制改革〜裁判官と検察のキャリアを分ける
・脱税の取り締まり強化


今回の選挙では小党が軒並み得票ならず、共産党までもが議会から姿を消した。下院を構成するのはわずか6党。そしてベルルスコーニ率いるPDL(自由の国民党)と連立を組むLega Nord(北部同盟)が、ロンバルディア、ベネト、ピエモンテ、リグリアといったとりわけ北部で得票数を伸ばして与党第2党に収まった。


インフレは進み、貧困層は増え、エネルギー不足は深刻で、ナショナルフラッグであるアリタリア航空の引取先は決まらず、建築現場や工場では杜撰な管理ゆえの事故による人死にが絶えず、組織犯罪は拡大しつづけ、移民と住民の軋轢は大きくなる一方で、役所に行けばたらい回しで、交通機関は遅れまくりのこの国は、エキスポ開催が決まって浮かれてる場合ぢゃない。