扉の中のクリスマス

クリスマスイブの夕食が終わると、パパは小さなプレゼントをくれる。おととしはテーブルに飾ったミニチュアのツリーを、去年はきらきらした石榴のオーナメント。「幸運を運ぶんだよ、だからこれは君に」。そう言ってパパはクマのような手を差し出す。息子の友人というだけでわたしのことなどほとんど何も知らないというのに。


鏡のついた扉を開けると、光の入らない棚にツリーと石榴が並んでいる。「ここにいていいんだよ」。季節はずれの彼らから、わたしはそんな声を聴く。