トルコのでかさ

欧州一帯には、伊国ではROM、ニポンではジプシーと呼ばれる人たちが住んでいます。歴史の流れの中で割をくってしまった人たちで、多くの人は定住地を持たず(持つことができず)、滞在許可も持たず(持つことができず)、伊国の場合は、郊外の空き地に停めた彼らのキャンピングカーの中や、使われなくなったアパートに寝泊まりをしている風景がみられます。


そして、ここ最近、治安政策の強化が進む伊国では、彼らをそういった"住居"から締め出そうという動きがとりわけ顕著です。たしかに彼らの住まい方は合法ではなく、一部ジプシーによる軽犯罪もないわけではないですが、彼らはそもそも歴史の流れの中で割をくってしまった人たちなわけで、行政措置の是非を問うことは非常に難しい。


イスタンブールのヨーロッパ側には、かのオリエント急行の終着駅があります。ある朝、その駅前広場の中央、緑が植えられた一帯で、このROMやジプシーと呼ばれる人たちがたき火をしていました。暖をとっているのか、朝ご飯の用意か。いずれにしろこれもまたトルコのでかさだと。