のアモーレ

1995年から2005年の10年間で、伊国の離婚率は増加すること74%、別居率は54%の上昇。結婚の耐久年数平均は14年間。そんな記事が先日の各紙に載った。世界的にこれらの値は上昇しているのだろうが、カトリックの本家でもまたこれが現状だ。こちらでは離婚するには別居期間が必要で、これはいわゆる「アタマ冷やして考え直してネ」ちう期間なのだが、私の周囲には、この別居状態のまますでに十数年という"法的夫婦"もいる。


もう少しデータを並べれば、別居するカップルの85.5%、離婚する夫婦の77.6%は「協議の上の合意」により、決着がつくまで平均150日。対してこれが「公の場に出て話しましょう」ということになると、別居に漕ぎ着けるまで平均866日、離婚決定まで平均634日かかるという。別れるための手続きも煩雑きわまりない。


なんでまたこんなことを書いたかというと。無宗教な異邦人から見た限りでは、コト結婚に関して、カトリックが基盤になったこの国の建前は、もー掲げるだけでもちゃんちゃらおかしいぐらい建前に過ぎないと思えるからだ。離婚は禁止、姦淫は罪、同性愛を否定。外から見れば、そんな教義に、伊人のこの気質が「おさまる」と考えた人のほうがどうかしている。もちろん、教えにまぢめに建前から乖離することなく生きてる人々もいるんだろう。しかし、もし今この瞬間に最後の審判が下ったら、少なくとも私の伊友人は(もちろん全員が聖人の名を持ち、例外なく洗礼を受けている)ひとり残らず地獄直行である。