ヴァイスビール

脱稿したら酒盛りである。ミラノの外れに「ミラノ・ドゥエ」と呼ばれるベルルスコーニがつくった町があり、お金持ちがたくさん住んでいる。そこに行き着くほんのちょっと手前、ミラノ市内に入ってくる高速の高架と、どなたさんが眠るのか、かなり謎な墓の群れと、ぼうぼうに伸びまくった雑草に囲まれた一角に行きつけの飲み屋がある。金持ちエリアまで距離にしたらほんのちょっと、なのに雰囲気は富士山とお握りぐらい違う。さておき。


てっとり早く酔っぱらいたいとき、しかしチュピートとかウォッカとか過激な手段に走りたくないときはヴァイスビールである。ドイツ生まれ、いろいろな銘柄があるが、大麦ではなく小麦からつくられ、口当たりがまるく、やわらかな香りがある。ドライ系のビールが好きな人はダメだろうが、世界のビールコンテストで何年か前に1等賞をとった伊国の「メナブレア」と口当たりは似ている。ちなみに伊国では「birra bianca=白ビール」と呼ぶ。アルコール度数は大抵5.5〜6.0%。たいして強くはないのだが、これがなぜか、酔う。現在、ついつい姿勢がカメしてしまうほど頭が重い。反省と学習:ヴァイスビールは中ジョッキで3杯まで。飲みやすいからといってどんどんいくとカメになる。また、栄養価が高いため、続けているとおそらく腹が出る。


何を書いてるんだかよくわからなくなってきたので、ひとつ雑学。先述の「チュピート」は、ショットグラス2つに、一方にはラム、一方にはオレンジジュースをなみなみ注ぎ、「チュピート!」のかけ声とともに一堂がまずラムを、そしてオレンジジュースを一気するという儀式(笑)だ。伊国の決して上品ではない酒場に、午前0時以降に行くと、ちょくちょく見られる光景である。これを立て続けに3周すると、確実に記憶がなくなる。しかし、乱暴ななかにも「ストレートのラムをオレンジジュースで(胃の中で)中和する」という配慮がなされているわけだが、これを「ラム」と「リモンチェッロ」でやったバカがいる。「リモンチェッロ」はレモンのリキュールで...と酒の説明をしていくと終わらなくなるのでこれにて御免w。