L'italia contemporanea 1943-1998

第二次世界大戦時、独国と伊国とニポンはつるんでいた。ここまでは、歴史の勉強をしたことがある人ならおそらく誰でもしっている。当時の伊国ではムッソリーニという世間で言うところのファシストが政権をとっていた。これも、世界史を勉強したことがある人ならおそらくしっている。ファシスト政権が倒れた後、ムッソリーニはミラノ郊外まで騙されて連れていかれて銃殺され、ミラノ市内のロレート広場に愛人とともに逆さ吊りにさらされた。これも、伊国にいるニポン人のおそらく大半が知っている。


では一体、伊国の第二次世界大戦は、いつ、どのようにして終わったのか。そしてなぜ、同じ敗戦国にも関わらず、独国のように(結果として)分割されたり、ニポンのように占領されたりしなかったのか。おそらく正確に答えられる人はあんまりいない。わたしもぜんぜん答えられない。いや正直なところ、考えてみたことすらなかった。しかし、ある日突然、気になった。


そこで買ったのがこの本。いわゆる伊国戦後史の入門書で、厚さ3.6cm、買った後で知ったのだが国立ミラノ大学の現代史の授業でも使われている。言葉使いもわかりやすく、つまり伊国史に初めて触れる人にはうってつけだ。最初のページ、ムッソリーニの政権が倒れたところから話は始まる。読んだからといって、なんの役にも立たない。しかし事実はときに小説より奇なり、混乱のさなかで伊人が考えること-すること(したこと)というのは、これがなかなかおもしろいのである。少なくとも、歴史書を読んで高笑いしたのは初めてだ。


同時期のニポンの動きと、比べながら読むとまたおいしい。しかし、ニポンの現代史を、きちんとしってるニポン人とて実は数えるほどしかいないだろう。わたしもまたそんな無知のひとり。おかげでこのとこ毎晩、ネットと首っ引きで第二次世界大戦前後のニポンとつきあっている。


L'italia contemporanea 1943-1998
Giuseppe Mammarella著/il Mulino版/2002年版/28ユーロ