うわばみ

飲酒運転はココ伊国でも禁止されている。しかし、車でしか来られないような場所で、みんな隈なく限りなく酔っぱらっているというのは一体どいうことであろうか。それだけではない。車に乗って高速を走りながら酒ビンが回ってくる。しかも運転席方面から。一体どいうことであろうか。取り締まればきっと、罰金で国庫が潤う。などと道徳的なことを言いながら理性49%。私も飲んでるから同罪。なのである。


おいおい、マルティーニが1本空いたぞ。4人しかいないってのに。


昨夜は、ブレッシアというミラノから車で1時間半ぐらいの街のパンク祭りに行ってきた。Miss Violetta BEAUREGARDE という伊人女性のライブがあると聞いたからだ。電子音楽+絶叫系。なかなかよかった。しかし、家の中でCDで聞く音楽ではないわ。ちなみにライブはタダ、ビールもワインも1杯50セント(70円ぐらい)。脱線するが、伊国には1000円札だけで夜通し遊べる場所が、まだちゃんと残されているのである。てなことに感動しつつ、聴く、しゃべる、飲む。帰路についたのは朝4時。お腹がすいたので屋台でソーセージ入りのパニーノ(伊国風サンドイッチです)を食べる。帰りの車中は、大丈夫だろうか。


っておいおい、帰りもまだ飲むのか。どっから生まれて来たんだこの缶ビール。


個人の名誉のために名前を出すのは控えさせていただくが、この運転手の腕と理性と酒の強さは信頼できる。でなければ、やって/乗ってられない状況である。空には消えかかった満月。伊国にまた新しい朝がくる。ひとりづつ家に送り届け、なんだか知らないが友人宅の猫の餌づけにつきあい、我が家の前に車が停まったのは朝7時。運転手のたまう。「今日、山のほうまで行って昼ごはん食べるんだけど、来るなら9時半ごろ電話するよ」。しなくていい。もう全然しないでちょうだい。


異国の者どもの化け物ぶりを表現するには「うわばみ」などという可愛らしい言葉では足りない。こういう人たち/国と本気で喧嘩をしてはいけない。