Le conseguenze dell'amore

なにを言ってもネタバレになってしまう。さてどうしよう。そう、このジャケットのしがないおっさんにはたくさん秘密があるんです。人に言えない秘密。うふふ、気になるでしょ。だったら観てね。で、よく考えると、オチは救いがなく、ネタは重いし、映画のトーンは役者のしゃべりも含めて極めて静かなのだけど、救われなさ重さをあまり感じさせず、というか「こんな悲劇的な展開になってるのにココで笑っていいのか」と思わず自分に突っ込みを入れてしまうような事態がちょくちょく起きる。そんな映画です。とてもすてき。去年のカンヌ映画祭の出品映画。あと、シチリア訛りがヨイのだ。内容に関わらず耳にするだけで笑いがこみあげる(ばかにしてないよ、方言はだいすきだ)というのは、これはもうそれだけで素晴らしい言語ではないでしょか。


   Le conseguenze dell'amore(邦題未定)
  監督:Paolo Sorrentino(パオロ・ソレンティーノ)、2004年、イタリア
  キャスト:Toni Servillo, Olivia Magnani, Adriano Giannini 他


ニポンでは「伊国は明るい国だ」と形容されることが多いけれども、対して伊国映画は悲劇をもって終わる作品が多い。でもその悲劇は、まったくどっつり暗いわけではなく、そこにほのかな笑いや「あちゃー」という雰囲気を含んでいる。気がする。おそらく「明るい-暗い」というばっくりした二項対立の形容で、何かを言おうとすること自体が乱暴なのだと、伊国の映画を観るとよくおもう。