ダンテ「神曲」

asparago2005-03-02

告白。まだ読んでない、いや読もうと思ったことすらなかったんです。ダンテ・アリギエーリ「神曲」。なぜって?だっておもしろくなさそーなんだもん。わたしはただの本好きで、研究者ではないからして、つまらなそーな本を読む時間は。ない。でも、このたびニポンに渡った際になぜか買ってしまったのだな。なぜって? 魔が差したんだとおもう。で、読み始めたのだがこれが大変だ大笑いだ。わからん。ちなみに第一曲の一行め。


「われ正路を失ひ、人生の覊旅半にあたりてとある暗き林のなかにありき」


この中央あたりのぐちゃぐちゃした漢字、なんてよむんですか。さらにパソコンでは表示できないんですが、半の字の上のふたつの点々が、逆向きについてるんだ。言ってることわかります? わたしはこの漢字の羅列をみて咄嗟に「飛騨牛」とか「松坂牛」とか「米沢牛」とか、たくさんの牛さんがわらわらと頭に浮かんでしまつた(獏。さらに二行め。


「あゝ荒れわらびわけ入りがたきこの林のさま語ることいかに難いかな(後略)」


最初の11文字、単語はどこで切れてるんですか。たぶん「ああ-荒れわらび-わけ入りがたき」だよね。ゆっくり噛めばなんとなくわかるのだけど、一瞥したときは「荒れわらび」てば新種の山菜かなにかかと思ってしまつた(獏。


この岩波文庫版、とにかく全面的に旧仮名遣いなわけです。わたしに教養が欠けているせいであらうが、とにかくわからん。して、3年がかりでようやく辿り着いた「ダンテを読む」といういたってまぢめな試みは、いつのまにやら、声に出して読んで「わかんねーっ」「読めねーっ」と友達とともに笑いこけるという「お笑いイベント」に変わっていた....これはね、伊国語で読むほうがきっと容易い。


  「神曲 -上中下巻-」ダンテ・アリギエーリ著/山川丙三郎訳/岩波書店/1953~58年
   上:ISBN:4003270118/中:ISBN:4003270126/下:ISBN:4003270134


あ、集英社から新訳版も出てるみたいだ。しまつた。まあ笑えたからよいか。