うるさい日本の私

10年ぐらい前に出た本なのですが、今また改めて読み返したというわけではなく、ニッポンに帰った瞬間にこの本のことを思い出したのでした。著者はカント研究者の中島義道。当時は東京電機大にいたのだが今もいるのだろうか。さておき。この本はタイトル通り「ニッポンの喧しさ」について書いた本、もっと正確にいうと「ニッポンの喧しさ」と闘う著者の”戦闘記”です。いま読んでもきっと笑えるのでぜひ。


で、ニッポンは好きなのですが本当にうるさい。自動販売機はしゃべるし、自動ドアもしゃべるし、エスカレーターもしゃべるし、エレベーターもしゃべるし、動く歩道もしゃべるし、公共交通の車内放送はとめどなく、駅の構内放送も尽きることなく、商店街を歩けば右から左から呼び込みと有線と「いらっしゃいませ」。そして、駅の自販機で「キップヲオトリクダサイ」と澄ました声で言われるたびに「やかましわコラ」とひとり凄むわたしもうるさい。


なんとかなりませんか。慣れの問題なのだとは思うのだが、果たして慣れてイんでしょうか。ひっきりなしに聞こえてくる騒音が、ニッポン人がストレスを溜める要因の一旦を担っている気がしてならない。