Open your eyes

よーやく観た。でも「バニラスカイ」とラストが違うだけでほとんど変わらんぢゃないか。撮りかたもストーリーも。町並みとか乗ってる車とかパーティの雰囲気とかが違うだけで。ラストがより説明的だったことで「わかりやすく」はあったけれども、そしてまた主役がトム・クルーズでないぶん、あのイッちゃってる女がキャメロン・ディアズでないぶん、余計なことを考えずに観れたけれども。しかしわからぬ。なぜこの映画をハリウッドでわざわざリメイクしたのか。する必要があったのか。トム・クルーズが惚れて「ぼくちん、あの役やってみたい」などと言ったのだろうか。


ただ、このオリジナルでは、ラストのラストで、主人公をずっと支えてきた精神科医までもが、現実と非現実の区別がつかなくなって動揺する、というより「自分もまた主人公の夢の登場人物のひとりに過ぎないのだ」という、そこその場での「現実」に直面して動揺する。そのアイロニーがおもしろく、また、彼が動揺することによって「現実はそれが現実だという思い込みの上に成り立っている」ということが強調されている。気がする。このオリジナルはあそこが山場、あそこではじめて「観客を不安にさせる」ことに成功していると思うのだがいかが。


  Open your eyes / Apri gli occhi(原題:Abre los ojos)
  アレハンドロ・アメナバール監督、1997年、スペイン/フランス/イタリア
  出演:エドアルド・ノリエガ、ペネロペ・クルス、ナイワ・ニムリ他


  Resista:Alejandro Amenabar, 1997, Spagna/Francia/Italia
  Cast:Eduardo Noriega, Penelope Cruz, Najwa Nimri ecc.