差別!?なのか!? --una discriminazione in italia


やばい。やることがなく本を読む気が失せるとパソコンに向かってしまうおさる。でも明日からは更新できないから、いいよね。明日から4週間ほどダブリンです。今更ながらエイゴのおべんきょです。
伊国は本当に「どうしよーもない国」だと心から常々思っているのだけれども、伊国から外に出ると決まって「ああ、いまごろ伊国はどうしているかしらん」などと南の空を見上げてしまったりする。きっと今回もそうでしょう。「何がいいのさ」と聞かれると「具体的には何もよくない」としか答えられないのだけれど、今改めて考えれば、伊国は「人々の人のよさ」(だけ)で保ってるのかもしれません。伊国人と関わってこれまで「たいへんなめ」にあったことは数え上げれば気絶してしまうぐらいあっても「いやなおもい」をしたことは、ない。いや正確に言うと「なかった」。


というのも、先日リヴィエラ海岸のアラッシオという街でほげほげと道を歩いていたところ びしゃ と背中に液体。伊国では、ベランダの植木に水をやるときに下の人通りなど誰も気にしないゆえ、よくあることだと思い見上げるも、誰もいない植木もないベランダもない。結論を言うと液体の出所は通りすがった車、伊国の若いにーさん5人が みっしり と乗った車だったという。どう考えても「いやがらせ」でしょーね。そしておそらく私が東洋人だったから。
伊国にはレイシストが多いと聞く。今年6月ごろの新聞でも「若者の4人に1人は異国人差別意識がある」という統計結果を載せてたし。彼らのいう異国人とは、アラブ人、アフリカ人、そして東洋人。伊国はヨーロッパきっての移民受け入れ国。でも、街にいろんな人種が溢れれば溢れるほど、個々の伊国人たちの差別意識は逆に強化される、ってこともあるのかもしれません。


さて、伊国がどのぐらいひどい国かを知るに素敵な本があります。伊国のエッセイは山ほどあるけども、大半は「陽気で明るい」ばっかでつまらない。でもこれは激推薦。在伊数十年の著者が、きっちり取材・引用・統計集めをしてる(ネタはやや古いけど)。こういう本がもっと出ればよいのに。


  内田洋子『破産しない国イタリア』新書、220頁、平凡社新書、1999年
  ISBN:458285026X