たまごをたべる祭り

ゆでたまごをふたつ。白いお皿にのせられて「どうやって食べるんですか」と聞いてしまう。「横にふたつ、縦にふたつに切って」と大まじめに答えられて、まぬけな質問をしたのだと気づく。「日本にゆでたまごはないの?」とまじめに聞かれて、「ありますありますありますありますありますあります」と連呼してしまう。そしてわたしたちは、ナイフとフォークを使って恭しく正しくたまごをいただいた。


今日は復活祭だ。友人Aの父に昼食に呼ばれ、大勢が集まるのかと思いきや、たまごは6個しかなかった。つまりわたしたちは3人ぽっちだった。数年前までは、友人Aの父は少なくとも10個のたまごを茹でていたはずだ。友人Aの母と、ふたりの妹のぶん。今朝、鍋に水を入れてたまごをパックから出すときに、友人Aの父の胸にはどんな想いがよぎったのだろう。家族が小さくなってしまうこと、それがときに仕方のないことだとしても。