半島を出よ

家中の空気が もあ とした日曜。外に出たらきっとしんでしまう。週末は生産的なことはしたくない。となったらやることは限られていて「読む」か「飲む」しかない。伊語の本を読み始めたら寝てしまい、大事な友人が死んでしまう夢をみてしまい、うなされて目覚めたとたん当の友人に電話をしてしまい、「この真っ昼間にナニ寝ぼけてんじゃアホ」と言われてしまい、なんだかひどく縁起が悪いのでニポン語の本を読むことにした。


この小説はもー大好きで、すでに何度読んだかわからないのだが(だれか新しいニポン語の本を恵んでください)、このプロットには何度読んでも感服してしまうし、これだけ多くの人間を描き分ける技も本当にただごとではありません。北朝鮮の反乱軍を名乗る一軍が、ニポンに堂々と上陸して福岡市を占拠する。日本という国がもつ脆さを、フィクションでここまで浮き彫りにしてしまわれると感動というより恐怖を感じる。出版は2005年だが、今よむとまさにタイムリーかも。

半島を出よ
村上龍著/幻冬舎/上巻1850円、ASIN:434400759X/下巻1995円、ASIN:4344007603