テンション低下したとき

テンションが落ちるときというのがあります。特別なことがあったわけぢゃなくても、なにをするにも「どっこいしょ」ちう気分になるとき。そういうときの人々の行動パタンには、いくつかバリエーションがあります。ただばっくり分けると、そういうときに「がんばるひと」と「がんばらないひと」という分けかたができるような気がします。少し乱暴に違う言葉で言い換えれば、「なんらかの刺激に触れるなり、なんらかの刺激を見つけるなりして、意識的・無意識的に関わらずテンションをあげようとするひと」と、「じとっと静かにその状態を放っておく、あるいはそれが過ぎるのを待つのを好むひと」とでも言えるでしょうか。ちなみに現在のわたしは後者です。そしてここ伊国の人々には、圧倒的に前者が多い気がします。


すなわち。わたしはこの国で暮らしていると、ときどきとても疲れます。


「盛り上がらねばならぬ」という強迫観念には、私も覚えがあります。かつてのわたしもそうでした。でも、ある時点で「体力の無駄やん」とおもって軌道修正を試みました。なぜなら「ねばならぬ」的にがんばって盛り上がった後には、しばしば、それ以前にも増して大きな疲労感が訪れます。言葉を選べば、「疲労感」に「徒労感」が加わるからです。


あくまで主観ですが、そういう無理を極力避けつつ、それでも人々と円満に仲良く暮らしていくのは、「ヘコんだときこそ友達とバカ言い合って」が最良の処方箋だと多くの人が信じている(ように見える)ここ伊国では、同時に「顔を合わせて日常報告をする頻度が友情の深さに比例する」と多くの人々が信じている(ように見える)ここ伊国では、意外と難しいことだと。そのバランスをうまくとるのは、おそらく、ニポン語の「さじ加減」とか「塩梅」という語がぴったりくるような、とても微妙なことだと。


などと大袈裟にまわりくどく書きましたが、まさに今わたしは、誘いにのって出て行くべきか、それともすべてを突っぱねて安眠するか、思いっきり迷っているのでありました。あはは。