Ti Lascio il Meglio di Me

読了。著者はベネツィア近くのヴィチェンツァという街に生まれた現在33歳の伊男。これまで3冊の小説を発表していて、そこからパタリと著作が途絶え、もう作家廃業したんではないかと思っていたところに新刊が出た。先日18日、ミラノのブエノスアイレス通りのFeltrinelliという書店で新作発表会なるものが開かれ、もちろん行ったさ。なんでもこの新作、6年越しの難産だったそうで、おまけにその間に著者はなにがしかの理由でカラダとココロを病み「この世の病院で受けられる検査はすべて受けた」と自慢(?)しておった。


発表会の後にがんばって話しかけようと思ったのだが、ちょっと近寄っちゃ戻り、また近寄っては腰が引け、結局は話しかけられなかった。好きなひとには滅法弱いへなちょこなわたし。せめて「不信な行動をとるへんな東洋人がいた」って印象だけでも残っていることを祈る。嗚呼。


父親が小さな娘に注ぐ異常なまでに大きな愛情の話なのだが、さすが6年越し、楽しく深く読ませます。続きが気になって頑張らなくても読めるので、ぜひみなさん1冊買っていただいて、伊文学界まれにみる有望若手作家(私感)を応援しましょう。いやまぢで。

Ti Lascio il Meglio di Me
Giancarlo Marinelli著/Bompiani版/2006年/17ユーロ/ISBN:8845256154