エッセイ2本

映画を観ていて「鶏肉」を食べるシーンが出てくると、決まって鶏肉が食べたくなる。なぜか決まって鶏肉で、なぜか鶏肉だけにそそられるのだ。例をあげよう。「ロード・オブ・ザ・リング」のあれは確か「3」で、ゴンドールの王様が息子の出征時に、ひとり鶏肉を食べる。「焼いた鶏肉が冷えたやつ」を手で「むさずりながら(注:新潟方言)」食べる。あのシーンを観ると、鶏肉を焼かずにはいられなくなる。


同じような話を、米原万里がエッセイ「ロシアは今日も荒れ模様」の中で書いていた。彼女は...なんだったかな...映画を観ながらたしか「お握り」と「ペリメニ(ロシア風餃子)」と「ゆで卵」かなんかを作るんだった。


わたしはエッセイが好きではないのだけれども、というか読み進めることができないのだけれども、米原氏のこの本と、見沢知廉の「囚人狂時代」だけは2度以上読みました。米原氏は政界の大物なんかが来日すると出てくるロシア語の大御所通訳で、文章もたのしいのだけれども、なにより彼女の書く「ロシア」が可笑しい。読んだことなければ是非。


「ロシアは今日も荒れ模様」
米原万里著/講談社文庫/2002年/520円/ISBN:4062730804


「囚人狂時代」
見沢知廉著/新潮社文庫/1998年/540円/ISBN:4101473218