海はなかった

中学生の頃 --もはや歴史の教科書にのっけてしまいたくなるぐらい昔だが-- 「合唱コンクール」なる学校行事があって、当時まだ人生をまぢめに生きていた私は、また自分にある種の協調性が欠けていることに気づかなかった私は、学校行事などにもまぢめに参加し、だからもちろん放課後にだらだらと行われる「合唱コンクールに向けての練習」などにも至ってまぢめに参加する子供でありました。「男子、ちゃんと歌ってください!」みたいな。ぷぷぷ。んで、この中学校というのが、歌を歌うのが好きな学校だったらしく、この合唱コンクールとゆーのが年に2回、春と秋に、あったのですね。しかも卒業時にはレコードまで作ったんだぞ。ちゃんとでっかいホールでレコーディングなんかしちゃって。いま考えると「なんだったんだあれは」な想ひ出で、もう少し物心がついた頃に気まぐれで聴きかえしてみたらば、鶴が首を絞められたよーな女声と、声変わり前なのに無理矢理な男声と、あんまりにもこっぱずかしかったゆえ即封印。とまれ、そんなわけで、たくさんの歌を歌ったし聞いた。


脳みそとゆーのは非常に効率が悪く、伊国語の単語はちっとも入らないのに、ン十年前に歌った歌は今でもソラで歌えちゃったりする。で、前置きが果てしなく長くなりましたが、冬に水際に逝くと、なぜかこの歌が口から自動的に出てくるのだな。「海はなかった」。先日、ラヴェンナという街で海を見にいき、やっぱ、歌ったね。でもね、きれーなのよ。旋律。1975年作とゆーから、作詞家も作曲家ももはやこの世のものではないのかもしれんが、どっかの好事家が打ち込みで作ったらしい音&歌詞をネット上で発見した。たまにはこゆネタも意外性があってよかろー。


  「海はなかった」岩間芳樹作詞/広瀬量平作曲
   http://www.pika62.com/umihanakatta.htm