Alberto Giacometti展

行ってきました。アルベルト・ジャコメッティ。とても、よかった。「伊国でこの規模の個展は初めて」という謳い文句に違わず、彫刻あり油絵あり素描ありリトグラフあり合計作品数150点余り。ジャコ好きのわたしは、これまでにもポンピドゥーセンター、バーゼル市立美術館、ローマ市立近代美術館などなど、彼の作品があるところには機会あれば必ず足を運ぶよーにしてきたのですが、この展覧会は文句なしにピカイチ。


ジャコメッティの彫刻、とくに全身像(>あの針金ばりに細いやつですね)は「浮いてない」ところがすてきです。がんばって説明すれば「その人体の前にも後にも”時間”が流れていて、その人体をとりまいて四方八方に”空間”が広がっている」ことを強く感じさせる。だから、彼の人体像は、一見、世界にはまったく無関心に見えるのだけれども、歩いて「きた」し、歩いて「いく」し、歩き「出す」し、もしかしたら同じ部屋に展示された他の人体像と「すれちがった」り、「ぶつかった」り、「しゃべっちゃったり」もするかもしれない(>すべてはあくまで私的にそう思う、てコトですよ)。


だから、何が言いたいかと言うと、私的には、展示もそのへんも考えてしてほしいと。今回は、それも含めて至極満足で、平日だったゆえ他の客が誰もいなかったのもコレ幸い。ただひとつ、他の客が誰もいなかったゆえ、館内監視のねーちゃんが、ずっと私の後ろをひっそりとついてきた。暇だったんでしょーね。ひっそり、ではあるのだが、自分が何かを観ているときに、誰かにじっと観られている視線を感じる。これはかなりウザいです。「じろじろ観んなオリャ」と、もーすこしでブチ切れるとこだった。理性49%。


ラヴェンナとゆーアドリア海沿いの街で、来年の2月までやってます。ミラノからは特急(ユーロスター)と鈍行乗り継いで3時間半。ジャコ好きなら、がんばって逝くだけの価値あり。


  会期:2005年2月20日まで
  会場:Museo d'Arte della citta' di Ravenna (国鉄ラヴェンナ駅から徒歩5分)
     住所:Via di Roma,13 / tel:0544.482356
  開場:火〜木曜:9-13/14-18、金曜:9-13/14-20、土日:10-19、月曜休
  料金:おとな8ユーロ、学生6ユーロ
  Info. in italiano:英語のサイトもあるのになぜかコノ告知は伊国語しかない>誰か訳せよ
  http://www.museocitta.ra.it/mostre/giacometti.htm


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